クラウドファンディングの秘訣は、「想い」と「共感力」


クラウドファンディングを活用したきっかけ

私が、クラウドファンディングを活用したきっかけは、「日本の魅力を世界に発信する」という想いに、共感してくれる人と一緒に、地域活性化に貢献する活動を継続していきたいと考えたからです。

ジャパンスポッティングは、私が、6年間まちづくりのNPOを行った経験から「ヒト・モノ・カネが足りない地域にも、世界中から観光客を呼ぶ仕組みを作りたい」という想いから生まれました。

本質的に、地域を活性化するためには、自分一人が発奮するのではなく、想いに共感してくれる人と一緒に、サービスを作り上げていく事が大切であると考え、その手段の1つとして、大衆から資金を呼びかけるクラウドファンディングに注目していました。私は、自分の想いが、社会的ニーズがあるかどうかもクラウドファンディングを通じて、問いたいとも考えていました。

そんな時に、クラウドファンディングを運営する「COUNTDOWN」の担当者の方を紹介していただきました。クラウドファンディングは、運営団体によって、それぞれ特徴があり、ターゲット層も違います。「COUNTDOWN」は、日本発、世界に挑戦するサービスを作るという想いがあり、私の想いと同じ方向性でしたため、「COUNTDOWN」を通じて、資金調達と仲間づくりを開始したことがきっかけです。ここでも「想い」を共感できる運営団体にめぐり逢えた事がとても良かったと思います。

実際にプロジェクトを進めるにあたって、感じたメリット・デメリット

進めるにあたって感じたメリット・デメリットは、良くも悪くも多くの人の目にさらされることだと思います。

クラウドファンディングに挑戦する事によって、たくさんの人に注目され、SNS等で、知人や友人に拡散してもらえます。その結果、自分がまだ会ったことがない人からも支援が得られる可能性がでるのが一番大きなメリットです。

私の場合は、想いに共感してくださった観光業界の方々の間で支援の輪が広がりました。観光業界の方々には、支援してくださるだけではなく、市場の動きやニーズについてもアドバイスいただいています。

このように支援者、すわなち一緒にサービスを創っていく仲間が増えた事が一番のメリットだと考えています。

一方デメリットとしては、注目される分、支援が集まらない時期は、本当に辛いです(笑)

支援が上手く集まらない時期は、クラウドファンディングのページを調整してみたり、見せ方を替えたり、試行錯誤を繰り返しました。

また、たくさんの人から注目を集める事によって、多用な意見やアドバイスを得ることができますが、それによって、商品やサービスの方向性が、ぶれてしまうこともあると思います。

意見や感想で、ぶれてしまっては、支援者は、集まりませんし、ファンになってくれる人もいません。

「想い」に立ち返る事ができたのは、初期の支援者の方のおかげです。

頻繁に支援者と話をするようにしていたのですが、支援が集まらない時期に支援者の1人に「お金だけじゃなくて、想いを共感できる仲間を集めたいからクラウドファンディングをはじめたんじゃないの?」「想いを伝え続けるのが大事なのでは?」というアドバイスをいただきました。

それからは、支援の呼びかけではなく、想いを伝え続けました。この軽々からぶれないためにも、自分がクラウドファンディングをはじめた、そもそもの「想い」に立ち返る事が、とても大事だと思います。

サポーターを集めるのに工夫した点、当初の構想からブラッシュアップした点。

上記と重複しますが、工夫した点は、軸をぶらさず「何をするか?」だけではなく「なぜするのか?」という想いを中心にPRした事です。商品やサービスは、発売して実際に手にするまでに、その価値は、はっきりわからないわけですから、支援者が、支援をするきっかけは、やはり人です。想いをより直接的に伝えるためにイベントを頻繁に開催しました。大きな会場で話をさせていただくこともあれば、数人が集まった飲み会の席でも時間をいただいて、想いを伝えていきました。そういう小さな積み重ねが、最後の支援や情報の拡散につながりました。

当初の構想からブラッシュアップした点としては、支援者のアドバイスを聞きながら、サービスが、よりシンプルにわかりやすくなってきたと思います。また支援者の中に、観光業界の専門家が多いので、訪日する外国人観光客が求めているニーズや動向についておしえてもらえたのも、顧客視点のサービスを作る上でとても役に立っています。

サポーターの属性

30—35歳(自分の年齢に近い人が多い)/男性6,女性4/エリア、東京、大阪、宮崎。自分の知人友人を中心に、その友人や知り合いに拡散しました。商品や物をリターンにする場合は、興味関心で広がりがあるようですが、形が無いサービスの場合は、わかりにくいため、人への投資になる傾向があるようです。

クラウドファンディングの今後の改善点と課題

改善としては、決済システムとスマートフォン対応だと思います。インターネットでのクレジットカードの支払いに慣れていない人への対応も重要です。決済システムについては、その簡易性と手数料のやすさから、paypalを採用している人が多いですが、paypalは、決済時にpaypalのウェブサイトに移動する必要があるため、まずは、この時点で混乱する人が多いでしょう。次にスマートフォン対応です。クラウドファンディングを利用する人は、スマートフォン世代の人たちです。スマートフォンで商品を買う感覚でクラウドファンディングに参加できるくらい簡単になると良いと思います。ここまでが、インフラの部分です。

次に認知度です。現段階では、クラウドファンディングを知らない人が多いと思います。クラウドファンディングは、寄付ではなく、現段階では、商品やサービスを先に買うネット通販と同じです。寄付と思っている人も多く「お返し」商品についても連絡しない人も多いと聞きます。また、商品やサービスを提供するという観点から、フラッシュマーケティングの「おせち事件」のように品質が悪い商品が届き、業界全体の価値を下げないようにする事は、運営者と参加者双方に注意が必要です。海外のサービスでは、お金を持ち逃げした人や違う事業にお金を使う人もいるようですよ。個人的には、クラウドファンディングが、「社会を良くするために大衆からお金を集めるシステム」という風に認知されて、地方から世界を驚かすようなサービスがうまれてくるといいなぁっと思っています。

よりうまくクラウドファンディングを活用する方法

今後生み出される商品やサービスには、より一層「共感力」が重要になってくると思います。ただ単に「商品を開発したい」「サービスを作りたい」では、人は、まだ完成もしていない商品やサービスにお金を投じて支援してくれません。

「何をするか?」
より
「なぜするか?」という強い想いやこだわりを、わかりやすく伝えていく事が、共感力を生み、支援の輪が広がっていくと思います。

クラウドファンディングは、オンラインのツールですが、SNS等を通じて、支援をよびかけるだけではなく、オフラインで、イベントの開催や実際に支援者たちと顔を合わせて語り合うことも非常に重要です。

支援者すなわち、実際の購入者にもなりうる人たちが、クラウドファンディング実施段階で、商品やサービスに対して、どう思っているのかをしっかりヒアリングする事ができますし、自分の想いを直接うったえかけて、支援者に、ファンになってもらうこともできるからです。

動画で想いを伝える工夫をする

今、アメリカの「KICKSTARTAR」というサービスでは、たくさんの商品が創りだされています。キックスターターへの出品者は、「想い」や「サービスの内容」を動画で作りこんで、とてもわかりやすく伝える工夫をしています。キックスターターの商品のまとめサイトやキックスターターに出品した人が会社を作りそれらがM&Aされるなどの減少も起きています。

クラウドファンディングを活用すれば、知人友人以外でも、同じ興味関心がある不特定多数の人に、アプローチすることができます。

商品発売前のマーケティングにもとても有効です。今年は、日本でも、「あ、これ欲しかった」と思えるガジェットや生活用品の商品開発資金を、クラウドファンディングで調達する事例が、どんどん増えてしてくると思います。

ジャパンスポッティングのサービスの特徴

ジャパンスポッティングは、日本をテーマにした写真で、世界中のユーザーが交流するSNSサービスです。従来のテキスト情報や評価で、旅の行き先を決めるのではなく、写真で、直感的に行き先を選ぶ事ができるのが特徴です。

投稿者は、スマートフォン1つで簡単に、投稿し、世界に向けて情報発信する事ができます。

また、気に入った写真には、「LIKE」をしたり、コメント機能で直接、投稿者に対して、場所を質問する事ができます。投稿者が、地元の観光ガイドとして、旅の情報を提供し、観光誘致に貢献する事ができます。ジャパンスポッティングには、Facebookやtwitterのソーシャルメディアを通じて、世界中の日本好きのユーザーが集まってきているので、交流が活性化します。

現在は、全国の観光協会や地域団体に写真提供のご協力を頂いて、日本のお祭りの写真や地域の観光情報を定期的に発信しています。

日本人のファンを集めるために、日本語の情報発信も試験的に開始しました。支援者は、先行的にユーザー登録と投稿が可能で、すでに支援者の方々からの投稿が開始されています。皆さん、投稿した写真が、サイトに投稿され、世界中に発信されている事をとても喜んでくださっています。

ジャパンスポッティングの今後の展開

ジャパンスポッティングは、今後も支援者127名と一緒にサービスを改善していきます。そして2020年の東京オリンピックの時には、訪日する外国人観光客の多くの人に「JapanSpottingを見た」と言って、東京だけではなく、ガイドブックに載ってないようない地方にも訪問してもらえるようになる事が夢です。

そのために、まず全国47都道府県で「世界に伝えたい地元の魅力」をテーマにしたフォトコンテストを開催します。4月上旬に、私の地元の宮崎県で「世界に伝えたい宮崎県の魅力」を開催する予定です。フォトコンテストの審査員は、宮崎県に住んでいる支援者の方や、観光業界に携わる支援者の方にお願いする予定です。

2014年3月末には、支援者を集めて、進捗報告を行いとみんなでサービスを考える会議を開催しました。このように支援者参加型のサービスで、JapanSpottingは、改善していきます。

1人の想いが、共感を呼び、サービスが誕生しました。そして、支援者と共に、サービスが改善されていく。その結果、世界中の人に喜んでもらえるサービスに成長していく。これは、クラウドファンディングを活用した「共感」型のサービスだからこそ、できる事だと思います。

今後も「想い」に「共感」し、支援してくださった皆様の気持ちを大切に展開していきたいと思います。

今後、新たな機能追加や展開、新たにクラウドファンディングを活用する予定

今後は、スマートフォンへの対応を重視しています。また長期的な展開として、オンラインだけではなく、オフラインで、訪日する外国人観光客をサポートしていきたいです。例えば、中心市街地の一画を借りて、JapanSpottingのオフィスを併設し、その場で、訪日する外国人観光客を、JapanSPottingを利用して案内するなど、日本の「おもてなし」を発揮する事ができればと思います。実店舗を持ち、直接的にお客様である外国人観光客をガイドする事は、コストが高くなります。しかし、外国人観光客からのサービスや日本観光への信頼度は、上がると考えています。自分たちのサービスの利益だけではなく、日本国の観光誘致、地域活性化を視野に入れた、サービスの展開をしていきたいと思います。最終的には、47都道府県全てにサポートセンターをおいて、観光誘致を通じて、地域雇用の創出に貢献していきたいです。